人工関節に置き換えれば痛みはなくなる
痛みが治まらない時は人工関節という選択肢もある
関節に痛みを感じても、関節の機能を温存するためには薬や器具、運動などによる治療を行います。変形性ひざ関節症は安静にしていても治ることはなく、悪化してしまうともいわれています。そうならないためには運動療法が基本です。運動は軽度でも重度でも同じなのですが、膝を支える筋肉を鍛えることが重要なのです。
しかし、変形性関節症の症状がひどくなると、痛みのために歩くことはおろか立っていることも難しくなります。そうなると歩くことそのものが億劫になり、認知症などのリスクも高まります。そうならないためにも、歩く筋力が備わっているうちに人工関節に置き換える外科手術に踏み切るという方法もあります。
人工関節置換手術にはメリットもデメリットもある
人工関節置換手術は、比較的重い症状の場合に行われます。関節のすり減った上下の骨の表面を、厚さ1センチ程度削ります。そこに、金属とプラスチックでできた人工関節をはめ込むのです。
すでに50年以上実施されている手術ですから、素材もアップデートを重ねて滑らかさや耐久性も向上しています。一度はめ込めば、30年はもつといわれています。
入院期間は1か月前後必要ですが、手術後は1~2週間程度で歩けるようになるのが一般的。その後は、歩いたり、旅行に行ったり、軽い運動などもできるようになります。もちろんいいことばかりではなく、正座ができなくなったり、関節を入れ替えなくてはならないケースがあったり、ごくまれに感染症や合併症などが起こる可能性もあります。それらのメリット、デメリットを考慮したうえで最善の方法を選ぶようにしましょう。