朝起きたときや長時間同じ姿勢でいたとき、あるいは長時間歩いたときなどに感じる膝の痛み。その原因と対策について紹介します。

膝の痛み・膝痛の原因と対策

膝関節のしくみと働き

膝関節は人体で最も大きな関節で、すねの骨、太ももの骨、膝のお皿という3つの骨からできています。これらの骨を靭帯などの腱がしっかりと結びつけて組み合わさることで、大腿骨と脛骨の間で曲げ伸ばしすることができます。正常な膝関節はスムーズに動き、歩行や方向転換、その他の多くの動作を、痛みを感じることなく行うことができます。

また、単に関節を動かすという機能だけでなく、体を安定させたり、関節内で起こる摩擦や衝撃のダメージを減らしたりするクッションのような機能も備わっています。高齢化や運動のしすぎなど、さまざまな原因によってこれらの機能が損なわれると、痛みを感じたり、動かしにくいと感じたりするのです。

膝の痛みの原因と対策

膝は歩くときに曲げたり伸ばしたりするだけでなく、立っている間は体重を支え続けるという重要な役割があります。そのため、毎日大きな負担がかかっているのです。

そうやって負担をかけながら長年にわたって酷使していると、関節を滑らかに動かすための軟骨が徐々に擦り減ってしまいます。軟骨が擦り減ると軟骨の下の骨の表面が擦れ合うなどしてデコボコになってしまいます。その欠けたり擦り減ったりした場所で炎症が起こり、痛みが発生してしまうのです。

また、全身の関節が炎症を起こすリウマチという病気の可能性もあります。初期の症状は関節炎に伴う腫れと痛みですが、進行すると関節の軟骨やその下の骨が破壊され、関節の脱臼や変形につながります。膝関節ではリウマチが進行すると膝が伸びなくなったり、変形と痛みのために歩けなくなったりするので早めに専門医の治療を受けるのがおすすめです。