上半身と下半身をつなぐ股関節は、常に大きな負担を強いられ、痛みを感じやすい部分のひとつ。そんな変形性股関節症の原因や予防のポイントを紹介。

変形性股関節症の予防と対策

股関節のしくみ

股関節は人間の胴体と足をつなぐ部分。ふとももの骨である大腿骨の先端にあるボールの形をした大腿骨骨頭と、骨盤側で骨頭の受け皿になる深いお椀の形をした臼蓋との組み合わせでできています。正常な股関節では、ふともも側の骨頭が骨盤側の骨にしっかりと包み込まれることで安定しています。

そんな股関節には、普通に歩くだけでも体重の3~4倍の力がかかるといわれているほど。それだけ大きな力に耐えるために、筋肉や腱などでしっかりと覆われているのです。股関節を正常に、いろいろな方向に動かすためには、この股関節の周囲にある筋肉や腱をしっかりと鍛えておく必要があります。

股関節に痛みが発生する理由

股関節の役割は体と足をつないで体を自由に動かすというだけではありません。体全体の安定性を保つという働きがあります。頭から胴体までの重さを支えると同時に、地面からの衝撃を吸収して和らげるクッションのような機能を備えています。

股関節を構成するふとももの骨の骨頭と骨盤側はそれぞれ軟骨で覆われています。また、股関節は関節包という袋に包まれ、その中は関節液と呼ばれる液体で満たされています。これにより、重い上半身から加わる力を和らげつつ、地面を支える足の力を上半身へと伝えているのです。

そんな股関節は最もひんぱんに使う部位であり、大きな力が加わる場所であることから、強い筋肉と腱が支えています。この筋肉と腱が弱まり、さらに軟骨が擦り減ってしまうと骨同士が擦れ合って炎症を起こし、痛みを発生してしまいます。適度な運動で柔軟性をキープしつつ、股関節周辺の筋肉を鍛えることが大切といえるでしょう。